ついこの前までの猛暑が嘘のように、秋の気配が濃くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
夏休み明けから秋深まりゆくこの時期にかけて、不登校の中・高校生の今後の進路についてお悩みの方も多いのではないでしょうか? 中学生では進学先、高校生では、欠課(欠席)時数の超過や成績不振による修得単位不足により、進級ができなくなることを避けるための転校先の選択などの課題が持ち上がるのがこの時期です。今回は不登校の中学生と高校生の進路選択について、2回に分けてお話しします。対象を分けてはいますが、単位制、定時制、通信制高校や高校卒業程度認定試験の情報をそれぞれ別の観点から記していますので、少々長いですが、両方お読みいただけると理解が深まると思います。第一回目は中学生の進路についてです。
中学生の進路は、ほぼ高校進学です。これまで不登校であった方は、高校に果たして通えるのだろうか、高校での学習についていけるのだろうか、ということや、具体的な進学先の選択について不安をお持ちの方も多いかと思います。
義務教育の間は、全く学校に行けていなくても、本人や保護者が進級や卒業を希望すれば、進級・卒業することができます。しかし、高校からは、それぞれの科目の授業時間数の概ね三分の一以上を欠席すると、その科目の単位修得(合格)が認められません(この基準は高校により異なる事もあるので、確認が必要です)。ほとんどの全日制高校は学年制をとっているので、不合格の科目があると、原則その学年をもう一年最初からやり直すことになります。これを原級留置(留年)と言います。原則と書いたのは、他にも細かい決まりがあるからなのですが、ここでは省略します。そのため、中学校での不登校からの復帰が遅れたり、学習が追いつかなくなるなどで欠席が増えると、夏休み前から2学期にかけて、欠課時数が基準を超えてしまい、留年せざるを得ない状況が現れるようになります。
私たちは、高校進学後の通学や学習に不安がある場合、単位制の高校への進学をお勧めしています。もちろん、全日制(学年制)高校で心機一転頑張れるケースもあるので、状況に合わせてご相談します。
単位制高校とは、3年以上在籍して、その間に卒業に必要な単位を修得することで卒業できる高校です。単位とは、一年を通して1週間に1回(概ね35回)相当の内容で実施される授業を履修し合格すると1単位となり、全日制を含むどの高校も3年間で合計74単位以上を修得することを卒業の条件としてカリキュラムが組まれています。合格の要件は、出席、提出物、授業態度、試験の成績などの状況で、それらを総合的に判断して合否が決められます。学年制の高校では、各学年で必ず修得しなければならない科目(必履修科目)と修得する単位数が定められているので、それらを満たせないと留年となります。単位制高校では、学年という概念がなく、3年以上の在学期間の中で、必履修科目を含み74単位以上を修得すれば卒業できます。ですから、欠席が増えたり、課題提出や試験結果が芳しくないなどで単位修得できなかった場合でも、その科目だけを卒業までのどこかで履修し直すことができますし、状況によっては1年間に履修する単位数を年度により増減させ、調整しながら卒業単位を最終的に揃えることもできます。このように、単位制高校では自身の状況に合わせたペースでの学習が可能なので、学修への不安を少なくして高校生活を行うことができます。
単位制は、主として定時制、通信制の高校で採用されていますが、一部全日制の学校もあります。定時制や全日制の単位制高校は、自分で作った時間割に合わせて登校し、授業に出席することが必要なので、一定の規則正しい登校と欠課時数の管理が必要になりますが、学年制の全日制よりは時間的、精神的な負担は軽くできます。
一方、通信制の高校は、卒業に必要とされる出席はスクーリングと呼ばれる年間数日程度の、原則それぞれの高校の本校で行われる授業や特別活動への参加だけでよく、あとは履修科目ごとに定められたレポート課題を提出し、試験に合格すれば単位が認定される仕組みです。したがって、科目の学習は教科書や参考書などの自学自習が基本です。近年は、科目の学習やレポート提出、試験準備などを自学自習で行うことの手助けとして、各地に設置された高校のサテライト(出先の教室)での授業や指導が週1日~5日行われ、そこへ登校するパターンが主流です。これは、あくまでも補習的なオプションなので、そこへの出席は卒業の要件にはなりませんが、学習・生活習慣を立て直すことにもつながります。必要に応じて小中学校の学習内容から学び直せたり、それぞれの学校で独自の学習や活動が加味されていたり、教育内容も多様になっていて、それらの内容は学校を選ぶ上での重要なポイントになります。
通信制高校は学校ごとの特徴がかなり異なるので、ホームページや学校案内の資料、学校説明会などで情報収集するとともに、学校の様子や生徒たちの雰囲気を実際に見学されることをお勧めします。ポルタでは、定時制、通信制の高校や実際の進学実績などの豊富な情報と、長年のスクールカウンセラーとしての経験を通して、適性や高校卒業後の進路なども考慮しながら、みなさまの希望や状況にあった進路をご一緒に考えます。ぜひご相談ください。


