ポルタの親の会『語り合う会』について、今回は、スタッフによる情報発信です。
まず最初に個人的な話をしますね。
ポルタのスタッフである私は、不登校・ひきこもりの子どもの親です。また、同時に、中学校の教員として38年勤めていました。
自分の子どもが不登校になったのは、高校3年生の時でした。降って湧いたような出来事にすごく動揺して、子どもの状態によって、私の気持ちもアップダウンしました。中学校の勤務開始時間は早いので、学校に行ったり、行かなかったりする子どもをおいて、仕事に出かけないといけない。だからすごく気になる日は、昼休みを利用して帰宅していました。すると、制服がハンガーにかかったまま。「ああ。今日も、行けなかったか・・・(最高に落ち込み)」ところが、時々、学校に出かけている日もあるんです。「制服がない!!!学校に行ったかー!(最高に嬉しい)」こんな気持ちの揺れをずっと経験していました。
その頃、読んだ本の中に、「不安の共振」という言葉を見つけました。まさにその状態でした。(代表の稲田は、この状態を「ひきこもりに引き込まれる」と表現します。)
さて、不登校・ひきこもりの親としてのキャリアも長くなると、地を這うような経験を通して、気付きが訪れます。相変わらず私は、子どもの失業で「がーん」となったり、面接成功で「やったー」と、自分のことのように喜んだり、落ち込んだりを繰り返していました。でもある時、自分の行動に疑問を持つようになります。
「子どもの人生の主人公は私ではないのに、反応しすぎじゃない?子どもの人生での私の役目は脇役なのに。」そうなんです。家族の中で大きな問題が起きて、あまりにも長い間その中にいたので、不安や心配、そして子どもに対する愛情から、私は、子どもと自分の間の境界線が見えなくなっていたのです。子どもの人生と私の人生は、別物なのに。それに気づいて、「家族が自立しながら支え合うってどうしたら良いの?」と、私は、家族の関係を考えるようになりました。
皆さんは、いかがですか。どんな経験をお持ちですか。
不登校・ひきこもり当事者の家族の皆さんは、それぞれがたくさんの気付きと勇気に満ちた経験をお持ちだと思います。そして、経験者どうしだからこそ、語ることで、聴くことで勇気と知恵と安心を共有することができると思います。
ポルタの親の会『語り合う会』においでになりませんか。