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不登校・ひきこもりの向こうに広がる未来

「不登校・ひきこもり」というと、ほとんどの方はネガティブな連想に、引っ張られるのではないでしょうか? 不登校やひきこもりを前向きにとらえ、不安や心配をできるだけ少なくしていくことが明るい未来につながります。キーワードは、「問題」と「過程(プロセス)、「自立」と「自律」です。

 

不登校やひきこもりがはじまると、これまで平穏だった日常が壊されます。その時、不登校やひきこもりは「問題」として認識されます。「問題」なので、すみやかに「解決」しなければ!と、家族ができるだけ早くなんとかしようとするのは当然のことと言えるでしょう。本やネットの情報でも、「脱出」「救出」「解決」という言葉が並び、不登校やひきこもりが、「問題」としてとらえられていることがわかります。しかし、「問題」としてとらえることによって、本人の準備ができていないのに、焦ってあれこれ周囲が働きかけて、結局「解決」できないということも起こりやすいのです。

 

不登校やひきこもりの背景を「問題」としてとらえなければならないケース(例えば、病気がある場合など)はもちろんありますが、不登校やひきこもり自体は、成長・発達していく上での人それぞれに必要な「過程」として分けて考えるべきであり、その中で生じる「生きづらさ」が「問題」としてとらえられやすいのではないかと思います。このようなことから、私たちは家族や本人の生きづらさや不安に寄り添い、不登校やひきこもりの「過程」を安心して「豊か」に過ごすための支援が必要だと考えています。

 

今年の1月に厚生労働省が「ひきこもり支援ハンドブック〜寄り添うための羅針盤」を発表しました。そこでは、これまで支援の目標としてきた社会参加や就労による自立だけではなく、「本人やその家族が、自らの意思により、今後の生き方や社会との関わり方などを決めていくことができるようになること(自立ではなく自律)」を目指すべき姿として示し、多様な生き方を想定した支援の必要性を説いています。これは、まさに私たちがこれまでずっと目指してきた支援の目標に重なるものです。

 

これまでに国や自治体が行ってきた不登校やひきこもり支援は、登校や就労につなげることを目指して行われることが多かったといえます。しかし、「登校すること」「就労すること」など、どう生きるかは当事者自身が決めることです。その人の人生の主人公はその人に他ならないのですから。支援の目標が「自立」から「自律」に変わってきたのは、そういうことなのです。生き方は自分で決めて、未来は自分で選ぶ、これがとても大切です。

 

そんな未来のためにお手伝いをさせていただくのが、私たち福岡ポルタの仕事です。